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住所わかりますか。→場所はどこですか(11月4日バヤニハン日本語教室のようす)

今日は浜松市東消防署 上石田出張所の協力を得て、119番通報の練習をしました。

授業を行うにあたり、消防署に事前にお願いしていたことが2つあります。

ひとつはデモ電話機をお借りして、臨場感あふれる授業を行いたいこと。

もうひとつは「学習者の話していることがわからなければ、率直に聞き取れないことを伝えてください」ということです。

臨場感あふれる場面設定は、学習者にとってイメージがつかみやすく、日本語での発話を最大限に引き出せる可能性があります。

また練習の場で、もし消防署の方が学習者の話していることが聞き取れないとき、「伝わっていないよ」ということを示してくださると、学習者は必死に伝えようと努力し、学びに対する集中力が高まります。

教室の中ではバイリンガル講師やボランティアさんが見守っているからこそ、安心して練習してほしいというのが、私たち教室運営者の願いです。

実は今回の消防のテーマを企画するにあたり、上記のような学習者側が得られる収穫を想定していたのですが、実際にはそれ以上の成果がありました。

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「何が燃えていますか」

「なべが燃えています」/「暖房が燃えています」など。

けれども消防署は「家が燃えている」「マンションが燃えている」「車が燃えている」「山が燃えている」といった火災の規模を探るために「何が燃えているか」と質問をしているのだそうです。

火災の規模によつて、出動する消防車の台数や消火準備がまったくちがうからです。

教室では消防署の方が来る前に「何が燃えているか」という問いに日本語で答える練習ばかりしていましたが、言葉の裏にかくれている思惑の理解がずれてしまうと、受け答えも的確でなくなります。

これは日本語力だけの問題ではないので難しいことです。

こうして消防署の方とのやりとりを通して、質問の本当の意味(言葉の理解としでではてではなく、その質問をした真意)を知ることができました。

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ところで自宅以外で火災のときもあります。たとえば運転していて、出先で車が燃えた場合。今日の練習では、こんな行き違いがありました。

「何が燃えていますか」

「車が燃えています」

「そこの住所はどこですか」

「浜松市東区大瀬町 鷺宮団地・・・」

「それって、あなたの家の住所ですよね?そうではなくて、そこはどこですか」

けれども、日本語があまりわからない外国人にとっては「住所=自宅住所」なのです。いくら「そこの住所はわかりますか?」と尋ねられても、「そこの」の意味がわからず「住所」という知っている単語を手がかりに、伝えようとします。

実際に出動したけれど現場ではなく、通報者の自宅へ向かってしまうと大変なことです。

このことを解決するために、バイリンガル教師たちが消防署に次のことをお願いしました。

「私たちは住所と言われれば、自宅住所のことだと誤解してしまいます。今回のようなケースを防ぐために住所という言葉は使わずに、”場所はどこですか”と聞いてもらえないでしょうか」

これについては今日お越しくださった署員から、通報センターに報告を上げてくださることになりました。

今日この内容を受講していた学習者はたった12人のフィリピン人でしたが、私たちはこうした教室の成果を地域にお返していくことで、ほかの在住外国人にとっても住みやすい街づくりを後押ししています。

最後に消防署員からも、学習者にお願いがありました。

必ず「日本語ができない、あまり得意ではない」ということを先に伝えてください。そうすれば、私たちも急いで現場に向かうために、みなさんにわかりやすい言葉でやりとりするよう努力します。

または、「私たちは1秒でも早く現場に行って皆さんを助けなければならないので、近くの日本人に助けをもとめて電話を代わってもらってください」

というメッセージが伝えられました。

バイリンガル講師からは「近くにいる日本人を見つけて”すみません、電話をかわってください”という日本語は必ず覚えて」と添えられました。

もしこのブログを読んでくださっている日本人の方がいらして、緊急時に外国人から「すみません、電話を代わってください」と頼まれた際には、協力してだされば幸いです。

この日の教室のようす、タガログ語版はこちら。

消防車の前で撮った集合写真もお楽しみに♪

http://filipinonagkaisa.sitemix.jp/blog/2012/11/04/2512

 

 

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