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みんなと、いろいろ話しました(文化庁事業)

 今日は台風で心配しましたが、このクラスは「いつでも、だれでも参加できます」としてあるので、通常とおり教室を行いました。悪天候の中、いつも来るAさん、Mさん、Wさん、このクラスでははじめてのHさん、そして日本人ボランティアのYさんとMちゃんが来てくれました。

 今日のテーマは「処方箋」でしたが、授業は思わぬところに展開ました。

●「熱があるときは、この薬を1錠飲んでください」というフレーズが出てきたところで、「平熱は何度ならいいの?」という話になりました。セブ島出身のMさんが「セブでは37度以上は危ないから、すぐに薬飲む」と言い張るのに対して、「私の地方は38度以上のほうが危ないよ。それまでは薬、飲まなくてもいいと思う」と、両者どちらも譲らず。

エリアによって「危ない体温」が違うなんて?

●「おくすり手帳はもっていますか」という日本語を覚えました。「おくすり手帳」は無料のはずですが、「300円とられた」という人がいました。また、「おくすり手帳のこと自体、薬局で聞かれたこともない」と怒っている人もいました。

 それを聞いたほかの参加者が、「たぶん、私たちは外国人だから薬局の人も説明するのが面倒だと思っているんじゃない?」と言ったら、すかさず他の参加者が「だったらなおさら、私たちみたいな人はお薬手帳がないと!自分がどんな薬を飲んできたかうまく説明できないから、手帳があれば助かるでしょ」と、またまた活発な意見交換となりました。

●子どもがいるバイリンガル講師の経験から、「お薬はシロップにしますか、粉薬にしますか」というフレーズを取り上げました。

 ところでシロップの「ひとめもり、ふためもり・・・」をみんなで数えましたが、「ひとつ、ふたつ・・・」に準じていると思いきや、「3めもり」は「さんめもり」、そのあと「よんめもり」「ごめもり」と続きます。

 そのことに気づいたHさん。「でも、”さんめもり”以上飲んだらすごく体調が悪いってことだから、ふためもりまでしか数え方がないんじゃない?」と皆を笑わせていました。

ごめんなさい、その場では真相がわかりませんでした。

●「保険証」の話では、かなり議論が白熱しました。フィリピンよりも日本では遥かに保険証を持っている人の数が多く、それで、「日本は豊かな国だ。システムもきちんとしている」と、皆が口々に言います。

 フィリピンでは警察官や医者などのいわゆる公務員しか社会保険に加入できないそうです。それ以外の人については、仕事のある人はお金を保険に回せるので、自費で加入していて、それ以外のほとんどの人は保険に回せるお金がないので、入っていないと言っていました。

 しかも、医者にかかるのは高いから薬局で薬を買って済ませようとするけど、その場合は薬の質があまりよくないのだそうです。

「だから、フィリピンでは死にかけたら一大事よ」と皆が言います。医者も保険証がない人は絶対に助けないからだそうです。

「フィリピンはひどいでしょ?」と私たち日本人参加者に問いかけられました。そんなことを考えたことがなく、回答に困惑していること自体、やはり日本は幸せなのかもしれません。

 でも、そのあとフィリピン人の誰かが言いました。「何言ってるの。医者がもし保険証のない人を助けようとして勝手に手術しちゃっても、保険に入っていない人なんだから誰もその手術代を払ってくれないんだよ。医者だって生活がかかってるんだから、そんなのかわいそうでも、ひとつ受けていたらキリがないじゃん」ということでした。

「かわいそうだけど、仕方ないよね」と誰かが言った後、しばらくクラスでは言葉がありませんでした。

●今日は大阪大学大学院のMちゃんが、見学に来ました。苗字はHさん。でも、すぐにフィリピン参加者と打ち解けて、名前のほうのMちゃんと呼ばれていました。

「おしゃべりタイム」ではMちゃんから皆に質問がありました。「私は大学院でフィリピンの青少年について調べていますが、みなさんのお子さんはどんルーツをお持ちですか」

 小さな子どもがフィリピンにいるMさんの思いがけない一面を知りました。「私の家族も子どももフィリピンにいます。私は子どもの教育費のために日本でちゃんと働いて、いつか必ず家族のいるフィリピンに帰ります。日本は知り合いが少ないから、さみしい。でも、これも子どものため。私はそういう考え方なの」と強い意志が伝わってきました。

高校生の子どもがいる参加者。「うちの場合はね・・・」

逆に皆からMちゃんにも質問が飛びました。「うちみたいなケースはどうしたら子どもとうまくいきますか」

今日は台風で参加者も少なかったため、ざっくばらんにお話ができました。

考えさせられるお話も多かったのですが、こうして「みんなの声」を聞きながら授業展開できたことで、絆が深まったような気がして、とても温かい気持ちになりました。

今日でちょうど半分、15回を終えました。残り15回、これからどんな教室に変わってくか楽しみです。

バイリンガル講師のAさん、Rちゃん♪今週から授業準備のやり方を変えました。大変だったと思いますが、みんなの心に残る教室になったと思います。おつかれさまでした。

 最後に・・・「サンパロク」というフィリピンの実を、Mちゃんが手土産で持ってきてくれました。

 見た目は紫の甘納豆のような、味はプルーンのような?この実は日本のフィリピン食材店ではあまり売っていないようで、皆、とても懐かしんでいました。こちらです。

 

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