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保健所でできること(文化庁事業/ゲスト:保健所職員)

 今日は保健所の方をゲストにお招きし、お話を伺いました。この授業は浜松市国際課の職員の方から「保健所では、フィリピン人の母子に関する相談が多い」というお話を伺って実現しました。

 保健所は何をしてくれるところか、意外と私たちは知りません。「母子に関すること」「予防接種」のほかに、健康や生活、迷い犬、虐待の相談、夜間救急・・・様々なサービスを行っています。中でも質問が集中したのは、妊婦検診のこと。結婚しているけど、まだ子供がいない女性の参加がこのクラスには多く、みな興味津々です。保健所では妊娠がわかると、母子手帳を発行してくれます。それと同時に通常は妊婦検診で使える受診券(14回分)をくれるそうです。けれども外国人の場合、VISAがないという人が稀にいます。その際、保健所では母子手帳は母と子の健康を記録するためのものなので発行しているけれども、受診券については金券になるのでVISAの更新をしていない人や、VISAがない人には絶対に発行していないとのことでした。妊娠したけどすでに離婚していて、VISAの期限も切れているケースも多いようです。「妊娠した」「離婚した」という事情を入管に説明して、まずは逃げ隠れしないできちんと日本のルールを守ること。これは母子の命や子供の成長のために、お母さんが最低限やらなければならないことだと強いメッセージをいただきました。フィリピンの参加者からは「でも、事情を話せば入管も強制送還しないと思う。VISAも取れると思う。」保健所の方も「すぐに困ったことがあると引っ越して、逃げるようにしていく人も多い。でも、赤ちゃんは大きくなって生まれてくるし成長もしていく。一人で悩まないで、相談してくれるといいんだけど」と話してくれました。ちなみに、妊婦になるとひとり42万円まで、治療費が助成されるそうです。説明後、参加者のほとんどが「42万円もらえる」と勘違いしていて、授業が熱くなりました。これは42万円、現金でもらえるのではなく42万円までは治療を無料で受けられるということで、加入している健康保険組合から病院へ直接支払われるものです。みんな、42万円は手元にもらえませんよ。それから、健康保険(社保か国保)に加入していないと、もちろんその42万円の助成は受けられません。そのためにも、保険に加入しておくことも大切です。

 保健所ではさまざまなサービスが受けられますが、「どこに聞いたらわからない」「聞きたいことはあるけど、日本語で上手に話せそうもない」ときは保健所に電話をかけて「通訳さんおねがいします」と言ってくれれば、まずは通訳へつないで必要な課へまわしてくれるそうです。ですので「通訳さんおねがいします」という日本語も覚えておくといいというアドバイスをいただきました。

 後半の「おしゃべりタイム」では、女性の参加者が多く、DV(ドメスティックバイオレンス)の話になりました。保健所の職員の方が女性でしたので、みな気兼ねなくお話をうかがうことができました。もし、DVを受けたら「証拠写真を撮っておくこと」をお話いただきました。なぜかというと、傷は日にちが経つと消えてしまい、あとからいくら「暴力を受けました」と訴えても、証拠がないと信憑性が薄いと判断されてしまうのだそうです。その写真は、携帯などで撮影しておくとよいというお話もありました。携帯のカメラなら日時が記録されるからです。また暴力した男性に多いケースとして、数日後には急にやさしくなって優しい言葉をかけたり、体に触れてきたりします。それで、女性も「もうこの人は、優しいから。きっとこれからは大丈夫」・・・そしてまた暴力を受ける・・・という繰り返しに陥りやすいそうです。「そういう人は、どうしたらいいんですか」の参加者の問いに、女性保健所職員の方から「こういう男はもうダメだから、別れなさい」と、みのもんたを彷彿とさせるやり取りがありました。

 今日の参加者はみな日本でとても幸せな生活を送っています。でも、お友達や知り合いに今日の話は必ず伝えてほしいものばかりでした。同じ国にルーツをもつ仲間が「ひとりで悩まない」「日本の社会に溶け込むためにルールを守る」ためにも、ぜひ輪を広げてほしいと願っています。

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